ああ、初めまして。
ああ、世に言う《イケメン》の部類だな。
瞬時に頭の中で、感じとり
次の瞬間には、
先ほどまでお母さんから
小学生のような注意を受けていた兄を
初めて見直したような気分になった。
こんな兄でも、
こんなイケメンと友達なのかと。
そんなことを思いながら、
いつの間にかまじまじと彼を見ていたようで。
「あら、沙奈。
そんなに悠太くんを見つめないの。
悠太くんに穴が開いたらどうするの?」
クスクスと笑いながら、
冷やかしを入れてくるお母さんに
乗ってしまうのが、目の前の兄。
「なんだ、沙奈!
コイツに見惚れたのか!?」
「純也、ここはまだ病院だから静かに」
兄のドスレトートの言葉に
苦笑いしながら、兄を宥める彼は
確かに10人中9人は見惚れるだろう。