Bitter Love
本当の顔

入学式

「桜ー!遅刻するよー!」

私を呼ぶお母さんの声で目が覚めた。
「うっるさいなー」
適当な返事をして時計へ目をやると
「はぁああ!?」
私はあわててリビングへ向かった。
なかなか起きてこない私にお母さんは朝からイライラしていた。
「さっさと食べちゃってよね。
入学そうそう遅刻しないでね。」
とか眉間にシワよせて言ってきた。
「っだぁああ!!!もういい!遅刻しちゃう!」
朝ごはんをろくに食べないで家を出た。

「行ってきまーす!」
ダッシュで駅まで走る!
「これなら間に合うかな」
まだ1度しか着たことのない制服に目を落とす。
「今日から私も高校生だ!」
楽しみと緊張で心臓がドッキンドッキン音を立ててる。

私は竹内 桜。
今日から高校一年生!
高校が楽しみすぎて昨日全然寝れなかったから初日からギリギリで登校。

ーガラガラガラー
「おはよーございますっ!」
勢いよくドアを開けておっきい声で挨拶したら一瞬教室が静まった。
「げっ!」
そしてドッと笑いが起こった。
「竹内ー。お前遅刻だそー。」
担任に怒られながら
私はしぶしぶ自分の席に座った。

入学式が終わって教室に戻ると
席の離れた綾にグチを言った。
「お母さんってば朝からイライラしちゃってさー、もうまいったよ。」
綾は呆れた顔で
「桜が起きないのが悪いんでしょ」
って…。

この子は佐藤 綾。
中学の時からの私の大親友!
だからこうやってグチもいっぱい言っちゃうんだ!

「そんでさー…」

ーキーンコーンカーンコーンー
「残念チャイムだ」
綾はそう言って自分の席に戻った。

「今日はこれで終わりになります。」
そう担任が言って教室が騒がしくなる。

「起立。礼」
「「「「「ありがとーございましたー」」」」」

もちろん帰りも綾と一緒。
「バイバイ!」
「じゃあねー」
綾と別れて家に入る。

「なんか1日長かったなー」
ベッドに寝っ転がってつぶやいた。





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