保健室の先生と私。



強く抱きしめられる先生に、私は胸が熱くなった。


「先生……離して……?」

「あ、ごめん……」


鞄からタオルを取って、先生の髪にそっと触れる。


「梨々華……タオル濡れちゃうよ?」

「こんなにびしょびしょになっちゃって……風邪でも引いたらどうするんですか?」


「んー……その時は俺の家まで来て看病しに来てよ。」

「へ、?」


動かしていた手を、そっと掴まれた。


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