保健室の先生と私。
すれ違い
落ち着くまで、ここに居ようかな。
「あの雲、トマトに似てる(笑)……ハァ……、」
どうして空まで。
先生を思い浮かべちゃうの。
あんな雲、ただの何でもない白い綺麗な雲なのに。
このまま。雨と一緒に辛い感情も流されちゃえばいいのにな。
地面を激しく叩きつける雨音。
今の私には切なく聞こえた。
ギィ――――。
開くドアの音に体がビクッと動く。
誰か来たんだ……って、振り返ろうとしたら。
振り返る前に後ろからギュッと抱きしめられる私の身体。
「な、んで……」