保健室の先生と私。



「ごめん…言いすぎたよ。俺も。」



そっと頭を撫でてくれると、優しく抱きしめてくれた。



ん…先生の香りがする。



落ち着く大好きな香り。



「先生って何者?」



「別に保健室の先生だけど。」



そうじゃない。



そうじゃなくて、どうして心を動かせるのかなって。



悲しくなったら、暖かく包んでくれたり。



時には、厳しく今みたいに叱ったり。



本当に不思議な先生だ。



「梨々華に恋に落ちた男だよ。」



「フフ、なにそれ!」



「馬鹿にしてんの?」



「してなーい。」



「どうだか(笑)」




あー…このまま私と先生の時間が永遠に続けばいいのに。



でも未来は残酷なことに長く続くことは無かったらしい。
< 493 / 629 >

この作品をシェア

pagetop