保健室の先生と私。



「お待たせー」



満面の笑みで『はい』なんて言って、プリント渡す山崎先生。


無性に、イラッとする!



「梨々華ちゃんって英語を書くのすごい上手で、丁寧だよね」

「そうですか?」

「うん!お手本の字みたい」



またまた。



「褒めるのが上手ですねー」

「別に棒読みすることないじゃんか!」



ま、褒められただけ気持ちいいし。


いいのかな。


仮に嘘だとしても。


ノートに英語の単語を書き始めた時。


ふと何か触れたような感覚に襲われた。


ん?え!?



「変態っ!」

「え、これだけで?」



何もなかったような顔してるけど!


何気に手が重なってるからね!?


…何してるんですか。



「なんか触れたくなっちゃって」

「は…?」



私の手に?


どうして、そんな切ない目をするの?


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