保健室の先生と私。



学校を出る前に。


お礼をしたい人がいる。



「先生待ってて!すぐに戻るから!」

「分かった。ゆっくり話してこいよ。待ってから」



先生は、玄関で待っててくれることになった。


上り慣れた階段を猛スピードで、駆けていって。


辿り着いた場所は屋上。


きっと、ここに居るはずだ。


ひと呼吸をしてから、ドアノブを握った。



「山崎先生…」



風に揺れる山崎先生の後ろ姿。


やっぱり居た。


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