保健室の先生と私。



「梨々華ちゃん。まだ帰ってなかったんだ?」

「はい!山崎先生に最後お礼をしたくて」

「別にお礼されることなんてしてないさ」



なんて笑った。


本当にその姿は“美しい”の一言だけで。


こんな人が私のことを好きだったんだって思うと、本当に勿体無いくらいだ。



「1年間お世話になりました!」

「うん。こちらこそ。梨々華ちゃん卒業おめでとう」



優しく肩をぽんぽんと叩いてくれた。


あぁ、これで最後。



「私、山崎先生に好きになってもらえて幸せでした…本当に」



嘘じゃない。


素敵な人に好きと言われるのは、本当に嬉しかった。



「俺も好きになれて良かった。すっげぇ好きでした。梨々華のこと」

「えへへ…」



面と言われるのは、照れくさい。

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