保健室の先生と私。
「見~つけた」
「え……?」
影が増えた。
「どうしたの?帰るんじゃなかったの?」
山田先生が来るなんて……思ってもなかった。
声を聞くと余計に安心して涙が出てくる。
「……っ。」
ぐしゃぐしゃになっている顔を見られたくなくて、必死に手で隠す。
「隠すなって。顔が見えなかったら心配するだろ……」
大きな温かい先生の手が、私の手を顔から離す。
「誰だって泣き顔なんか見られたくないじゃないですか……」
「だとしても俺は見たい。泣くとか素直で可愛いじゃん?」
「馬鹿にしてるんですか……?」
「してないよ。ただ気持ちを表してて凄いってこと」
先生は逆に褒めるんだ……。