それでも僕が憶えているから
……ねえ、真緒。
俺は本当に弱くて卑怯な人間だ。
自らホタルを呼び起こしたくせに、その事実と向き合うのが怖くて。
彼が外に出ている間は俺の記憶がないのをいいことに、ずっと見て見ぬふりを続けてきたんだ。
だけどある日、君の様子がおかしいことに気がついた。
もしかしたら秘密を知られたのかもしれないとすぐに思ったよ。
でもまさかこれほどまでに、君とホタルが仲を深めていたなんて想定外だった。
こんなことに君を巻きこんでごめん。
そして、今まで真実を打ち明ける勇気がなくてごめん。
俺は闇のすべてをホタルに背負わせ、偽物の光の中で笑って生きてきた。
真緒。せっかく友達になってくれたのに、こんな最低な俺で本当にごめん――。
~蒼い追憶