それでも僕が憶えているから
……ごめん、ホタル。こんなの完全な自己満足だってことはわかっている。
でも、もうこれで最後にするから。
ちゃんと終止符を打つから。
これからはよけいな感情なんか捨てて、まわりに迷惑をかけずに生きていくから――。
「真緒ちゃん」
凪さんの困ったような声にハッとした。顔を上げ、あわてて苦笑いを作る。
「すみません、いきなりこんなこと言ってワケわかんないですよね」
「ううん、大丈夫。でもそのハンバーグって、本当は蒼のために作るわけじゃないよね?」
「え」
「ホタルのため、でしょ?」
凪さんの口から出たその言葉に、わたしは耳を疑った。
「どうして……ホタルのことを知ってるんですか?」