それでも僕が憶えているから
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《2》
校舎にあふれる制服の白シャツが、太陽の光を反射してまぶしい。
7月最初の月曜日。
いつもと変わらない喧騒が響く中、昼休みに教科書を持って花江くんのクラスに行くと、彼の姿はなかった。
「花江? あー、あいつなら風邪で休みだよ。腹出して寝てたんじゃねーの」
カツサンドを頬張りながらそう言った男子に、周囲の女子たちが「やめてよ、あんたじゃないんだから」とブーイングを浴びせる。
わたしはお礼を言ってその場をあとにした。
夜の海で花江くんと会ったあの日から3日。
どこか夢の中にいるような、ふわふわしているような、不思議な感覚でわたしは過ごしていた。
あの夜、泣きじゃくるわたしに何も言わず、ただそばにいてくれた花江くん。
彼が見せてくれた幻想的な青い光が、今も瞳の奥に残っている。