それでも僕が憶えているから
*
《4》
あれは何だったんだろう。
いくら考えても答えは見つからず、悶々としたまま一夜が明けた。
翌日からはテスト期間で、学校が午前のみになった。
そのため蒼ちゃんと顔を合わせることはなく、そのまま試験休みを迎えた。
せっかくテストから解放されたものの出かける気になれず、自分の部屋で黙々と、ブレスレットを作りながら過ごした。
そうしているうちに、自分なりにではあるけれど、あの日のことを徐々に整理できてきた。
……たぶん、蒼ちゃんにとってあの手紙はすごく大切なものだったのだ。
なのにわたしがすぐに返さなかったから、怒ってあんな態度になったのだろう。
もしかしたらもう嫌われたのかもしれない。せっかく友達になれたのに……。