それでも僕が憶えているからのレビュー一覧
平均評価星数
5.0
2020/05/01 00:18
投稿者:
薫いちか
さん
弱ささえも愛おしい
弱さ、苦しみ、痛みを、愛おしく思ったのははじめてです。 自分の1部なんだから受け入れなきゃと、よく耳にしていても、真っ正面から受け入れることは難しい。 マイナスなイメージで固められたそれらを、一度受け入れたら、飲み込まれてしまいそうだから。 負けずに前を向くことばかり、消化することばかり考えて。大切にしなきゃといわれても、実際にどう大切にしたらいいのか分からずにいた。 ーでも"彼"の存在が、冷んやりとしていたイメージを温もりのあるものに変えくれた。 むしろ"彼"がいてくれるからこそ、私たちは独りではないのだ。 何よりもやさしくて、あたたかい。 読み進めれば読み進めるほど、それらが愛おしいものに思えて。丸ごとぎゅっと抱きしめたくなりました。 ハンカチ必須です。ぜひ。
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