SAY hello goodbye~sugar & spice~
奴の名は。
閑静な住宅街に、こじんまりとした
その大学はあった。
人呼んで金持ちの城、世北大学。
さして成績が悪い訳でも、飛び抜けて良い訳でもない奴らの集う巣窟である。
この大学の小さな一部屋で、確かに
その恋は始まっていた。
朝―。
世北生が続々と駅から大学へと続く一本道になだれ込む。
世北と言えば、こじゃれた高級住宅地の 筆頭である。
そこに日夜通う少年、少女達も必然的に 垢抜け、磨かれて この街に似つかわしくなっていく。