SAY hello goodbye~sugar & spice~

それでも右手の薬指にはしっかり指輪がはめ込まれている。

お相手もお揃いをつけて幸せそうに微笑んでいるのだと思うと、真理子ははがゆさに近しい感情さえ感じた。

「拓海くんあの…私ちょっと本当に具合悪いの…家まで送ってくれない?」

そばにいた真理子の顔色の蒼白さを眺め、拓海は彼女の肩に腕を回し、居酒屋を後にした。
< 66 / 74 >

この作品をシェア

pagetop