オタクの俺が超絶ズレてる子に恋をした。
……――そしてかれこれ30分――……
「~であってー、ナツメたんは~…」
まだ話は続いていた。
さすがの圭でもここまでくれば限界らしく、いつも何かと理由をつけて席を外してしまうのだが。
彼女は飽きるどころからんらんとして聞いている。
「…ってわけ。ま、こんなもんかな」
「へぇ!キラナツ私も見てみようかなぁ…」
キラナツとは、☆キラメキアイドル☆ナツメ☆の略である。
キーンコーンカーンコーン
「チャイムか。次移動教室だよな。早く教室戻ろうぜ」
「うんっ!」
俺の長話のせいで、彼女と一緒に飯を食っていた女子たちはもういなくなっていた。
未だに男子たちからはすばらしいほど痛い視線が送られてくる。
さすがに気まずい。でも、こいつといると、なんか……
なんか?
…なんだろう。
ああ、なんかモヤモヤする。気持ち悪い。
結局俺は、彼女と一緒に、3階の教室に戻った。