両手いっぱいの花束をあなたに


「颯は、期待のルーキーなの。日本なんて、狭い……世界で戦う選手になるんだから、あなたなんかにかまけてる暇ないのよ」


「そ、そんな……」


酷い言い様だ。

そこまで言わなくても……。

私って、颯の邪魔、してるのかな……。


「どうせ、バスケのルールも何も分からないんでしょ。あなたじゃ、颯を支えきれないわ」


「っ……」


どうしてかな、全然言い返せない。

だって、柿原さんの言ってる事、全部本当なんだもん。

私、颯に釣り合ってない…。


俯いていると、柿原さんは「フッ」と鼻で笑った。

言い返せない事が悔しくて、私は唇をかむ。


「それは、颯くんと花音が決める事でしょ。あなたが決める事じゃない」


すると、それを聞いていたのか、美緒が私の目の前に立って、背中に庇ってくれる。




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