両手いっぱいの花束をあなたに
「花音先輩?」
「あ、ううん、何でもない!私も、カッコイイ颯が見れて、嬉しかったよ」
心配そうな颯の声に、私は慌てて明るい声を出す。
颯の部活のマネージャーだし、相談とか出来ないよ……。
「な、あんまし可愛い事言うなよな…」
「颯?」
モゴモゴと何かを言う颯に、私は首を傾げる。
「というか、花音先輩、隙ありすぎ。アイツ等、絶対花音先輩の事狙ってるし」
「アイツ等って、バスケ部の人たち?それは無いよ、私、モテた事ないし…」
「花音先輩、相当鈍いだろ。ま、そのまま気づかないでて、俺の事だけ……見て欲しい…つーか」
語尾は、恥ずかしさで小さかったけど、ちゃんと聞こえた。
颯の事だけ見ててとか、まるで、私の事が好きみた…い。
って、みたいなんじゃなくて、そうなんだよね。
あぁ、なんかムズムズする!!