両手いっぱいの花束をあなたに


「花音先輩?」

「あ、ううん、何でもない!私も、カッコイイ颯が見れて、嬉しかったよ」

 
心配そうな颯の声に、私は慌てて明るい声を出す。

颯の部活のマネージャーだし、相談とか出来ないよ……。



「な、あんまし可愛い事言うなよな…」

「颯?」


モゴモゴと何かを言う颯に、私は首を傾げる。


「というか、花音先輩、隙ありすぎ。アイツ等、絶対花音先輩の事狙ってるし」


「アイツ等って、バスケ部の人たち?それは無いよ、私、モテた事ないし…」


「花音先輩、相当鈍いだろ。ま、そのまま気づかないでて、俺の事だけ……見て欲しい…つーか」


語尾は、恥ずかしさで小さかったけど、ちゃんと聞こえた。

颯の事だけ見ててとか、まるで、私の事が好きみた…い。


って、みたいなんじゃなくて、そうなんだよね。

あぁ、なんかムズムズする!!





< 109 / 351 >

この作品をシェア

pagetop