両手いっぱいの花束をあなたに


「颯の事しか見てないよ。それより、颯の方が人気すぎて、私っ……」


ー心配だよ。

その言葉は、最後まで口に出来なかった。


あのマネージャーの、柿原さんの事だってそう。

柿原さんは、颯と部活の間はずっと一緒にいられるし、バスケに詳しいから、颯の事、もっと理解してあげられるんだろうなぁ…。

あぁ、なんかモヤモヤしてきた!!

でも、話すのは、ためらわれる。

重いとか、思われたくないしっ……。


「花音先輩、それって…嫉妬だったりする?」

「え、えっ??」


嫉妬……。

それって、私が颯の周りにいる女の子をよく思ってないって事で、私の事を見て欲しいっていう事で…。


ボンッと顔が赤くなるのが分かった。


そうか、このモヤモヤした気持ちとか、私が彼女なのにって、気持ちが…嫉妬なんだ。

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