両手いっぱいの花束をあなたに


「嫉妬……してる、私」


「っ……そうか、なら嬉しいわ」


「え、嬉しい??重いって思わない??」


私は驚いて、大きな声を出してしまう。

すると、電話越しに颯が「クスクス」と笑った。


「何で?俺の方が、花音先輩の事好きすぎて、いっつも嫉妬してるけど」


「えっ……?」


「そんな俺、花音先輩は重い…?」


その不安そうな声に、私はすかさず答える。


「そんなわけない!私の事、好きでいてくれるんだって、すごく……嬉しい」


つい大きくなる声に、私はハッとして口を押さえる。


そっか、だから颯も嬉しいって、言ったんだ。


今の私と、同じ気持ちだから…。


それに気づいた途端、胸がドキドキして、ギュッと胸元の服を握りしめた。




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