両手いっぱいの花束をあなたに

「おはよう、お母さん！」


私は、スマホの画面を見たまま、キッチンでご飯を作るお母さんに声をかける。


ーピロンッ♪


颯：《歩きで行かねー？花音先輩と一緒にいたいから》

　　《迎えに行く。着いたらLIMEするな！》


ードキッ


一緒にいたい…とか、ドキドキするからヤメテ。

でも、素直になると、やっぱり嬉しいなぁ…なんて。


あぁ、今すごく、ドキドキで悶え苦しんでる。

発狂しそうだよ！！


「おはよう、早起きね、花音。朝から元気なんて、珍しいじゃない」


颯には、《待ってます》と恥ずかしくてなのか、なぜか敬語の返信を返して、私は出来上がっている朝ご飯を手に持った。