両手いっぱいの花束をあなたに
「花音にも、花以外に好きな人が出来るなんて、良かったじゃないか」
微笑ましい笑顔のお父さん。
うっ……笑顔が眩しい!!
その笑顔が一番恥ずかしいんだけど、変な汗かいてきた。
朝食は、颯の事を散々聞かれて、颯の《到着!》のLIMEが届いた頃には、ヘトヘトに疲れ果てていた。
店の外へ出ると、お店の前で傘を差して、ソワソワと歩き回る颯が見える。
そんな姿に「クスッ」と笑いながら、私は颯に駆け寄った。
「おはよう、颯!」
「っ!!は、はよッス」
声をかけると、一瞬ビクッと肩を震わす颯に、私はなんだかドキドキする。
颯も、私にドキドキしてくれてるのかな…なんて、そう思ったから。