両手いっぱいの花束をあなたに


「花音先輩の、そんな素直なところが、俺は…」


「……俺は?」


その続きが、きっと私の考えてる言葉なら、聞きたい…そう思った。



「すげー好き」

「っ!!」


心臓が、止まりそうになった。


そして、あんまりにも優しく笑うから、私は、今までどうやって喋ってたのか、分からなくなってしまった。


颯に、何度も「好き」って言われた。


だけど、会うたび、重ねられる「好き」に、私はどんどん、どんどん……颯に心を奪われていく。


「花音先輩の事を知るたびに、俺の頭の中、ずっと花音先輩でいっぱいなんだ……俺、重くねぇ?」


「颯……」


真っ赤な顔で、懇願するように私を見つめる颯に、私は顔が熱くなる。










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