両手いっぱいの花束をあなたに



「颯、今日、少しだけバスケ見に行くね」


「マジで!?やべー、超嬉しい。でも、手伝いとかいいのか?」


颯の言う手伝いが、花屋の手伝いの事だとすぐに分かった。

そっか、颯、私に気を遣ってくれたんだ。


喜んですぐに、心配そうな顔をした颯に、私は笑いかけた。



「私が、そうしたいって思ったの。だから、少しだけだけど、颯に会いたい!」


「っ……」


すると、颯は私にズカズカと歩みより、問答無用で、ガバッと抱き締めた。


ーえっ……??


ードキンッ


「っ……あっ……」


私は、驚きすぎて、フリーズしてしまう。

だけど、そんな私の心にも気がつかずに、颯は抱き締める腕に力を込めた。





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