両手いっぱいの花束をあなたに
【颯side】
「つか、なんであんな行列??」
俺は、女子に囲まれてどこかへと歩いていく花音先輩に、嫌な予感がした。
まさか……とは思うけど、リンチ?
だとしたら、俺が原因………か?
自覚は無いけど、陸先輩と、真南斗先輩に言われた事がある。
お前と付き合う彼女は、ファンに逆恨みされかねない…って。
「いやいや、まさか……」
ファンとか、よくわからねぇーし、俺には、花音先輩以外に色目使ったりしねぇ。
それでも、もし花音先輩が、俺のせいで傷ついたりしたら…。
花音先輩が消えた廊下の曲がり角を見つめる。
あそこはちょうど、体育館裏に繋がる人気の無い場所だ。