両手いっぱいの花束をあなたに


「あれ、颯くん?」


考え込んでいると、花音先輩の親友、美緒先輩がそこにいた。


「ウッス、美緒先輩はバスっすか?」


「うん、颯くんは花音と朝からデート~?」


「うっ……」


何というか、美緒先輩はSな気がする。


不敵に笑う美緒先輩から、俺はフイッと視線を反らした。


「アハハッ、颯くんは、からかいがいがあるよね!それで、花音は?」


「からかわんで下さいよ…。そうだ、花音先輩って、女友達たくさんいる方っすか?」


「んー?花音は、私とつっくん以外、あんまりクラスでは話さないけど」


………疑惑が、確信に変わった気がした。

 
マズイ、花音先輩、確実に俺のせいで巻き込んだかも。


一気に真っ青になる俺の顔を見て、美緒先輩が何かを察したのか、心配そうな顔をする。









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