両手いっぱいの花束をあなたに
どうして、こんな状況に……。
普通、こんな大人数で、こんなリンチみたいな事、するかな?
「さっさと別れろよ」
「颯くんには、もっと釣り合う人じゃないとさぁ?」
「別れるって言うまで、解放しないからねー?」
何…それ……?
私と、颯の事なのに、どうしてこの人達が入ってくるの?
怖いとか、悲しいとか……そんな気持ちより、沸き上がってきたのは怒りだった。
「何か言えよ!!」
襟元を掴まれて、私を睨む女の子と至近距離で目が合う。
でも、逸らしたら負けた気がして、私は真っ直ぐに見つめ返した。
「わ、別れない!!」
「はぁ!?」
そして、言えたのはその一言だった。
私は、目を逸らさずに、もう一度ハッキリと伝える。