両手いっぱいの花束をあなたに
「別れない!!」
この人達は、颯の気持ちを何も考えてない。
颯に釣り合う人って、他の誰かが決めるんしゃなくて、颯が決める事だよ!!
「懲りてないみたいね、もっと痛い目みないと、分からない?」
「何をされても、颯が私の事を嫌いにならないうちは、絶対に別れない!!」
自分でも、驚くくらいにそう言い切っていた。
颯、私の答え、間違ってないよね……?
不安だけど、だけど……私だったら、きっとそう答えてたと思うから…。
「あっそ、なら遠慮なく」
そう言って、女の子が私に向かって、大きく手を振り上げた。
それに、ギュッと目を瞑る。
ーぶたれる!!
痛みを覚悟して閉じた瞳、なのに、いっこうにその手は、私に届かなかった。