両手いっぱいの花束をあなたに
「俺のせいだ、本当悪かった!!」
颯は、辛そうに眉をしかめて、項垂れる。
颯、颯が悪い事なんて無いのになぁ…。
そんな、辛そうな顔、してほしくないよ…。
「俺のファンだかなんだか知らねーけど、今まで気にした事無かったんだ。でも、こんな、風に花音に手、出すなんて…」
「颯……」
「傷つけなくないって、俺が守りたいって思ってんのに、俺が傷つけてるとか、本当ありえねぇ……」
前髪を掴んで、クシャッと握る颯に、私は一歩近づいた。
そんな私に気づいた颯は、目を見開いて、私を見つめる。
「助けてくれて、ありがとう」
私は、颯の頬を両手で包み込んだ。
あっ…何でだろう、冷たくなってる。
私の手で、温まりますように…。