両手いっぱいの花束をあなたに
そう、お気づきだろうか。
勉……つっくんと美緒は、二卵性の双子。
ちょっとしたこの高校の噂になっているくらいに有名な美男美女の双子だ。
ストレートのサラサラした黒髪、クールだけど世話好きな所は、美緒とそっくり。
「花音、つっくんは止め…」
「つっくん、今日は生徒会の日だったのよね、お疲れ様!」
つっくんの言葉を遮ったのは、姉の美緒だった。
つっくんは、生徒会の会長で、この高校の偉い人…?だからか、朝は私たちより早く登校している。
キッチリとネクタイを締めて、制服を着こなしているつっくんは、やっぱり生徒会長の鏡だな、と思った。
「美緒が俺の事をつっくんって呼ぶから、花音も真似するんだろう」
「いいじゃない、もう3年目なんだし」
そう、私たち3人は、高校1年生の時から同じクラスだった。
私は、窓の外へと視線を向ける。
今日は眩しいくらいの太陽が、キラキラと私を照りつけていた。
そういえば、2人と出会ったのは、もっと空が暗い……雨の日だったなぁ。
2人の会話を聞きながら、私は2人と友達になった日へと思いを馳せた。