両手いっぱいの花束をあなたに


だからって、責める気にもならない。

どうしてなんだろう、こんなやり方……あんまりだよ。

私が文句を言われるのはいい、だけど……。


「これは、キツイなぁ……っ」


私は、ついにしゃがみこんだ。

そして、両手で顔を覆って、声を押し殺して泣く。


遠目からこっちを見ている生徒がいたし、きっと、変な目で見られてるに違いない。


惨めだし、悲しいし、苦しくて頭が重くなった。
  

「ふっ……うぅっ……」


颯……。

颯、私……どうしようっ。

助けて……助けて、颯っ……。


ただ、わけも分からずに泣いていると、遠くからパシャッ、パシャッと、誰かが走ってくる足音が聞こえた。





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