両手いっぱいの花束をあなたに


「花音っ……俺がいるから、大丈夫だから、な?」


颯は私を抱き締めると、私の頭を何度も撫でてくれた。


雨で濡れて、寒いはずなのに、颯と触れあった所から、逆に温まってくるみたい。


「うん……うんっ…」


「花……俺のせいだな、本当にごめ…」


「颯のせいじゃない!!」


また、自分を責めようとする颯に、これだけは伝えなきゃと思った。


颯の腕の中で、私は、真っ直ぐ颯を見上げた。

私よりも、誰よりも傷ついた顔をする颯に、私はぎこちなく笑う。






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