両手いっぱいの花束をあなたに


「悪いのは、颯じゃないんだよ……ごめん、弱くて」


颯は、人気者なんだもん。

私が、分かってなかっただけだよ…。

これくらいでへこたれてるから……。


『悪いけど、部活を邪魔するなら、別れて』


『どうせ、バスケのルールも何も分からないんでしょ。あなたじゃ、颯を支えきれないわ』


柿原さんにそう言われた時に、何も言い返せなかったんだ。

私が、もっと強くなきゃいけないのにっ…。


「こんな事で………」


大事な、私が大切に育てた花達。


「いちいち泣いてちゃ、ダメだよね……?」


そう言う言葉とは裏腹に、私は涙が溢れて止まらない。


こんな事って言いながら、泣いてちゃダメって言いながら、本当は…。




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