両手いっぱいの花束をあなたに
「花音の大事なモンだから、俺が絶対助けるし!」
「あっ……」
颯、颯の″絶対″は、不思議と本当になる気がする。
それに、私の大事なモノだから…そう言ってくれたのが、嬉しかった。
「うん!ありがとう、颯っ」
私は、ようやく笑う事が出来た。
そして、颯に手を引かれて、花壇の前にしゃがむ。
「よっしゃ、やるか!」
そう言って、Yシャツの袖を捲る颯。
その横顔を、私はジッと見つめた。
私、颯の、真っ直ぐな気持ちを伝えてくれる所が、いつもいいなと思ってた。
いつの間にか、向日葵みたいに笑う颯の笑顔をもっと見たいとか、他の誰かじゃなくて、私だけを見てほしいって思ってて…。
「つっても、花の植え替えとか、花音のが詳しいから、俺は、花音の手足として、全力を尽くす事にするわ」
ニカッと笑う颯に、私は目を見開く。
ねぇ、今感じてる、ドキドキは、ただの大切な人とは違う気がする。
誰よりも、私を大切に思ってくれて、大事にしてくれて…。
私の大切に思うものまで、守ろうとしてくれる。