両手いっぱいの花束をあなたに
「幸せ絶頂期のはずなのに、なんでそんな暗い顔してるんだ?」
「あ!つっくんお帰り」
隣の席の椅子を引くつっくんに、私は声をかける。
「ただいま、花音」
つっくんは、授業の準備で職員室に呼ばれていた。
つっくんは席について、眼鏡をクイッと上げて、私を見つめる。
「自覚したら、恥ずかしくなったのか?」
「おおっ!」
そ、その通りです、つっくん。
つっくんもエスパーだ、私の周りには、エスパーがたくさん。
ちょっぴり、地球の未来が心配になった。
「花音、今、ろくでもない事考えてるでしょ?」
「地球は、エスパーだらけになっちゃうのかなって思って…」
「ほら、やっぱり……はぁっ」
美緒は深いため息をついて、ツンッと私の額を人差し指で弾いた。
「地味に痛いよ?」
ジンジン痛むじゃないの……。
うぅ、美緒のバカ。