両手いっぱいの花束をあなたに


スリスリと額を擦っていると、美緒は困った子供を見るかのような目をする。


「話、戻すけど……それで?」


「あぁ、うん……実は…」


颯からかかってきた電話を昨日、無視してしまった。


しかも、LIMEへの返信も。


あげく、今日の朝なんて、下駄箱で颯に会ったのに、颯と目が合った瞬間、全力疾走で逃げ出してしまったのだ。



「は、はぁ!?」


その事を話すと、美緒は心底呆れた声を出した。



「うぅ……スミマセン……っ」


だって、だって!!


颯と今までどうやって話してたのか、むしろ、どうやって目を合わせてたのかすら、わからなくなってるのに!!


ど、どどどどうすればっ!?



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