両手いっぱいの花束をあなたに
「その気持ちを、そのまま伝えればいい」
「恥ずかしくても?」
つっくんは「そうだ」と頷く。
そっか……颯に素直に気持ちを伝えたら、許してくれるかな。
「大丈夫よ、これくらいの事で、颯くんは花音を嫌いになったりしないわ」
「美緒………」
うん、2人に相談して良かった。
そうだよね、私が好きになった人は、こんな事で、私を嫌いになったりしないし…。
よし、放課後、体育館に行ってみよう。
それで、ちゃんと颯に気持ち、伝えてみよう。
私はそう自分に何度も言い聞かせて、強く頷いた。