両手いっぱいの花束をあなたに



「んぅー、どうしよう」


「あれ、野木じゃん、こんな所でどーした?」


「ひうっ!!あ、し、篠田くん!!」


び、びっくりした!!

後ろから突然声をかけてきた篠田くんは、スポーツドリンクを手に、私を不思議そうに見つめる。


「颯に会いに来たんだろ?呼んでやるよ、オーイ、颯ーっ!!」

「えっ、い、いやっ、待っ……っ!!」


私の制止も虚しく、篠田くんは笑顔で颯に声をかける。

すると、颯はそれに気づいて振り返った。


パチッと、颯と目が合う。


ギャーッ、ど、どうしよう!!

颯と目が、目がぁっ!!


まるで、見つめられると石になる、メドゥーサに睨まれたかのような衝撃。











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