両手いっぱいの花束をあなたに
私はレジ台から出ると、颯の手を引いて、店の外に出た。
そして、颯の前に立つと、ガバッと頭を下げる。
「ごめんなさい、颯っ!!」
「え!?な、何だよ突然??」
顔を上げると、訳が分からないという顔をする颯と目が合った。
「ほ、ほらっ、私…颯の事避けてたでしょ??」
「あ、あぁ……その事か」
「あのね、私、颯が嫌いとか、そういうんじゃなくて、むしろ……」
むしろ、その反対でした。
好きすぎて、恥ずかしくて、どんな顔して颯と向き合えば良いのか、わからなかったの…。
「むしろ……?」
「あっ………あのっ………」
ヘタレるな、私!!
「すげぇー聞きたい、その言葉の続き……」
颯のその一言に背中を押されて、私はゴクリと唾をのむ。
そして、真っ直ぐに颯を見つめた。