両手いっぱいの花束をあなたに



「好きって自覚したら、なんだか颯と会うのが恥ずかしくって……逃げてごめんなさい」


「俺こそ、花音が俺を嫌いになったかと思って……まさか、好きになってくれてたなんて、俺、夢見てねーか、不安になってきた……」


そう言って苦笑いを浮かべる颯に、私は近付いて、フニッとほっぺを軽く摘まんだ。


「か、花音っ!?」

「ほら、現実でしょ??」

「か、花音………恐るべし、天然……っ」

「??」


ほっぺを摘まんだら、颯は意味の分からない呟きをこぼして、恨めしそうに私を見つめる。


その頬は、夕焼けのせいか、赤く火照って見えた。



「花音、俺からも聞いて欲しい事あんだけど……」

「うん?」


私は颯の頬から手を離して、颯の顔を見つめる。

聞いてほしい事って、言われると、なんだか緊張するなぁ…。

なんの、話だろう……。

ドキドキしながら、颯の言葉を待った。




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