両手いっぱいの花束をあなたに
「俺、あの時……プロポーズした時から、気持ちは変わってません。つか、それ以上に花音が好きっす」
「っ……颯……っ」
真っ直ぐに見つめられる視線に、私は釘づけになる。
言葉だけじゃなくて、視線とか、全身で私が好きだと伝えてくれていた。
「好きなんて言葉じゃ足りねー、もうこれは、愛してるの言葉の方が、しっくりくる」
「愛してるって………」
まるで、プロポーズみたい……ってあれ、デジャヴ??
私は、公園でのきごちない颯のプロポーズを思い出した。
「花音を、愛してる」
「っ!!」
愛してるなんて、言われた事は生まれてこのかた、一度も無かったけど…。
好きって言葉より、深くて情熱的な言葉なんだ…。
「これ、愛の告白……だろ、花言葉」
パサリと、私に赤いチューリップの花束を差し出す。
私は、ゆっくりとそれを受け取った。
「颯、赤いチューリップの花言葉、知ってたんだ…?」
「いや、調べた。花音にもう一度告白すんなら、そういう意味のこもった花が良いだろうと思って」
颯は私が花を受けとると、ゆっくりと立ち上がり、私の目の前に立つ。