両手いっぱいの花束をあなたに


ー2日前、体育館。


「颯、頑張れーっ!!」


「おう!!」


シュート練習をする颯に声をかけると、颯は私に軽く手を上げて嬉しそうに笑う。


私は、2階の席から、颯のバスケの練習を見に来ていた。


「あの子、颯くんの彼女らしいよ」


「ええっ、嫌だ、ありえない!!」


「颯くん、あの子が女子にリンチされてた時、本気で怒ってたんだって」


うぅ、噂と刺さる視線は相変わらずだけど、颯の彼女なんだし、負けてられない!



なるべくそっちを見ないようにして私は颯を応援した。


そして、試合の休憩中、颯はアクエリアスのボトルを持って、私の隣にドカッと座る。





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