両手いっぱいの花束をあなたに
「颯も、香水つけてるよね、柑橘系の!」
「おー、なんで花音知って……って、そりゃあ、あんだけ近づけば、分かるかっ」
私に聞こうとして、颯は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
私まで赤くなって、俯く。
もう颯、恥ずかしいからやめてよね。
「タオル、あ、ありがとな!」
「う、うん!」
「そうだ、花音……あの、さ」
颯は恥ずかしそうに後頭部をかきながら、私を見つめる。
「……?」
颯……?
「土曜日、うちの高校で練習試合があんだけど……」
「えっ、それって私行ってもいい!?」
颯が何か言うよりも早く、私はお願いする。
平日も土日も、颯はバスケの練習でなかなか会えない。
会えないなら、私から会いに行きたい!!