両手いっぱいの花束をあなたに
「えっ、マジで!?」
「うん!マジで!!あ、でもそんなに期待しないでね、味の保証はちょっと出来ないっていうか……」
「何言ってんだよ、花音」
「えっ……?」
颯はフワリと私を抱き締める。
突然の事に、私は驚いて颯を見上げた。
「俺の彼女が作ってくれるってだけで、俺っ……」
「は、颯さん??」
ジワリと涙を浮かべる颯の瞳に、私は目を見張る。
え、颯泣きそう!?
「すげぇ、感動するっつーか……」
「ふふっ、颯って、すごく可愛いよね」
「可愛いとか言うな、嬉しくねぇーぞ」
照れながら、少し怒る颯に、私はまた笑ってしまう。
あぁ、これは本気で頑張るしかないな。
だって、こんなに喜んでくれる颯に、美味しいもの食べさせてあげたいじゃん。
絶対食べれるお弁当屋作ってやる!!
そう心に決めてたんだ。