両手いっぱいの花束をあなたに
「という訳でね……。まずは形からって、エプロンを、つけたまでは順調だったんだけど……」
「それ、準備段階じゃない」
お母さんの事のてんまつを話すと、呆れたようにため息をつかれた。
「ここまで、自分に料理の才能が無いなんて思わなかったんだよ~」
「まぁ、花音がそこまで言うなら、お母さんが教えてあげるわ」
「神様だ……うん、助けて!」
お母さんという裏技を使って、私はお弁当に取りかかる事にした。
あくまで、手を使ったのは私なので、ギリキリセーフかな!
すると、なんて事でしょう…。
目の前には、綺麗でふわふわの卵焼きと、タコさんウインナー、ミニハンバーグに、唐揚げ、サニーレタスとプチトマトを添えた、色鮮やかなお弁当が出来上がった。