両手いっぱいの花束をあなたに
「美緒、つっくん、一緒に来てくれてありがとう」
学校へ着くと、美緒とつっくんが私に手を振る。
2人は、私の付き添いで一緒に来てくれたのだ。
「お弁当、作れたのか?」
2人の前でも、お弁当の事を散々嘆いていたせいか、つっくんが心配そうに声をかけてきた。
「うん、な、なんとか……。あ、でも、卵3つは炭にしたけどね」
「…………大丈夫なのか」
あんまり表情を変えないつっくんが、珍しく整った顔を歪めて、不安げな顔をしてる。
「大丈夫だって!見た目は美味しそうだったし!」
「花音、本当に大丈夫なの…?」
美緒まで心配そうにしているから、なんだか悲しくなる。
私の料理の腕って、そこまで信用ない??
少し落ち込みながらも、3人で体育館へと向かった。
すると、いつものようにダンッ、ダンッとボールが跳ねる音がする。
「ファイト-!!」
「キャーッ!!」
どうやら、ファンの子達も、応援に来てるらしい。
うん、今日も頑張るぞ、負けるな、花音!!
そう意気込んで、体育館前まで来たところで、私はハッとして立ち止まる。