両手いっぱいの花束をあなたに



颯と会うんだし、髪とか整えなきゃ!

風で乱れてるだろうし、ちょっとトイレ寄ってから行こう。


「美緒、つっくん、私トイレに行ってくる!」


少し先を歩いていた2人に声をかけた。


「じゃあ、席とっとくねー!」

「廊下走って転ぶなよ、慌てずにな」


まるで保護者のようなつっくんの言葉に、私は小さく笑ってしまった。


「もー、大丈夫だよ!それじゃ、行ってきまーす」


2人から離れて、私はトイレに向かう。


そして、鏡の前に立つと、大して長くもないけれど、手ぐしで髪を整えた。


まぁ、これは、私の気持ちの問題。

好きな人には、やっぱり可愛いって言ってもらいたいから。


色つきリップで唇を潤わせて、鏡に二ッと笑ってみせる。

うん、何だか自信出てきた!




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