両手いっぱいの花束をあなたに


「それは、む……」

「いいよー!ね、あなたはなんて言うの??」

「おい、なんで美緒が……」


そんな2人に、私は足をパタンッと揃えて向き直る。


「野木 花音。勉強、運動全く出来ませんが、花が大好きです。どうぞ、よろしくね」


両手を前に合わせて、ペコッと軽くお辞儀した。

すると、2人は私を呆然と見つめて、すぐに「ぷっ」と吹き出す。


「花音、本当に面白い!!これからよろしくね!」

「まぁ、勉強なら助けてやれるから」


2人はそう言って、私に笑顔を見せてくれた。

そう、これが私と2人の親友との出会い。


その次の日、私はオレンジのマーガレットと、同じキク科のスプレーマムを一緒に束ねた、かわいらしい花束を作って2人にプレゼントした。


花言葉は『友情』。

2人が、嬉しそうに笑顔で受け取ってくれたのを今でも鮮明に覚えてる。


2人の家に遊びに行くと、その花が花瓶に生けられていて、本当に優しい友達と出会えた事に感謝でいっぱいになったんだ。




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