両手いっぱいの花束をあなたに


「お前、俺を助けようとしてくれたのか!?」


ーガシッ!!


すると、その人は心底驚いたという顔をして、私の肩を掴む。

わっ、この人の背、大きいなぁ…。


身長、たぶん颯と同じくらいあるかも……180㎝以上なのは、確かだ。


「内容によるけど、手伝える事なら……」


抗争とかだったら、全力で職員室に逃げよう。


そう決めて、ヤンキーくんにを見上げる。


すると、何故かボロボロと涙を流していた。



「え………えぇっ!?」


な、何で泣いてるのーっ!?

今の数秒間の間に、何があったんだろう!?


「なんて良いヤツなんだーっ!!」


へ、良いヤツ……?


「お、落ち着いて?」


「俺は、黒崎 雷牙(くろさき らいが)だ、体育館に行こうと思ったのに、辿りつけなくてよー!」


あ、体育館に行きたかったんだ。

あれ、じゃあもしかして、颯の練習試合の相手なんじゃ…。






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